お洒落なロンドンっ子に愛されている、お醤油を使わないお鮨
2020/01/31
「スシ」が世界中で食べられる時代になりました。
ここロンドンでも、スーパーマーケットのお総菜コーナーや、街角のサンドウィッチ屋にまで「スシ」が置かれています。
もちろん、日本人が納得する本格的な「鮨」もあれば、残念な「Sushi」まで、スシの幅は広いです。
ある日、ロンドンのダブルデッカーバスに乗った時、運転手さんがテイクアウェイのスシを食べながら運転していたのを見た時「あぁ、スシがここまでロンドンっ子の生活の一部になっているんだ」と感動したこともあります。
テイクアウェイだけではなく、ロンドンには数多くの和食レストランがあり、それぞれの客層に合わせたお料理を提供しています。
というよりも、そのレストランに似合ったスタイルの顧客が来る、と言った方がいいかもしれません。
今日紹介するレストラン、「Yashin Ocean House」には、お洒落な人がたくさんやってきます。
外国の日本食レストランにありがちな、安っぽい提灯や暖簾はありません。
外観だけ見ると、和食のお店には見えないかもしれません。
でも、一歩中に入るとそこは和食の世界。 凛とした空気を感じます。
カウンターに陣取って、シェフの包丁さばきを楽しむのもいいです。 一人でフラッとやってきて、ワインやシャンペンを楽しみながらおつまみを注文している人もよく見ます。
今回は二人なので、テーブルに席を取って、ゆっくりとランチを楽しみました。
まずはシャンペンで乾杯。
シャンペンはほとんどのお料理に合うので、食前酒としてだけではなく、ボトルを注文してお食事を通して飲むことも多いです。 が、今回はグラスで注文しました。 1杯 15,50ポンド、泡立ちがクリーミーでとてもエレガント、おいしいシャンペンでした。 Brimoncourt おすすめです。
ランチにはアラカルトとセットメニューがあって、お味噌汁はこんなかわいいカップに入って運ばれてきます。
前菜という扱いなので、最初に出てくるのです。 おだしがしっかりした、カプチーノ仕立てで、伝統的なものを期待していたら面食らうかもしれません。 でもおいしいです。
こちらは玉ねぎドレッシングのサラダ。
こちらは刺身ランチ。 6種類2切ずつのお刺身がそれぞれにぴったりな味付けで盛られています。 ごはん、お味噌汁、サラダがついて36ポンドです。
お皿が運ばれてきたら、ドライアイスで作られたスモークがお皿の中心からあふれてきてドラマティック。 こういった遊び心もロンドンっ子を引き付ける魅力のひとつです。
ロンドンでは、味のみでレストランを語ることはしません。 もちろん、おいしいお料理というのはレストラン選びの要素のひとつですが、それを最も重要なものとしてとらえる人は少数派でないかと思います。 統計を取ったわけではないので、あくまでも私の印象です(笑)
客層や内装を含めた、居心地の良さを重視する人たちが多くいます。 必然的に似たような人たちが集まってくるわけです。
Yashin Ocean House は、長年ロンドンの有名和食店でシェフを歴任してきた池田シェフが始めました。 オーナーシェフのお店で、味は保証付き。
長年、カウンターの中から、お醤油にどっぷり浸けられた、残念なお鮨の結末を見ていて「お鮨やお刺身をお醤油に浸けるという行為を取り除けば、もっとおいしいお鮨を味わってもらえるのではないか」というコンセプトで開いたお店です。
奇を衒うのが目的ではなく「本物をいかに現地の人たちに味わってもらうか」ということを考えている辺りが、他のモダンジャパニーズレストランとは一線を画しているのです。
お鮨もそれぞれジェルやソースが組み合わされていて、一口ずつ新たな発見があります。
こちらはエクスプレスランチのお任せ4貫。
内容はその日で変わります。 追加をアラカルトから加えることもできます。
今日は飛騨牛とハマチを1貫ずつ追加で握ってもらいました。 自家製のショウガの甘酢漬けが付け合わせ。
エクスプレスランチには、天ぷらかサーモンの照り焼きがついています。
私はてんぷらを選びました。 エビと野菜の盛り合わせです。
エクスプレスランチはお味噌汁、お鮨が4貫、そして天ぷらか照り焼きがセットになっていて 19.50ポンド、追加で注文した飛騨牛は1貫 12.50ポンド、ハマチは 5.30ポンドでした。
飲み物はシャンペンの後、Vette di San Leonardo Sauvignon Blancという白ワインをボトルで注文しました。 こちらもおいしくておすすめです。
これまでお勘定の仕方を紹介したことが無かったので、今日はこちらも紹介します。
イギリスでは、レストランではテーブルで決済するのが普通です。
「Bill Please(お勘定を持ってきてください)」といえばこんなお勘定書きが運ばれてきます。
一番下を見れば合計額で、この金額を支払います。
ひとつ上に書かれているのがサービスチャージ。 これが入っている場合はチップは不要です。 サービスチャージが含まれていなければ、チップを置きます。 イギリスのサービスチャージ(もしくはチップ)は10%から15%くらいが普通です。
クレジットカードを用意していると係が読み取り機を持ってテーブルに来てくれますから、カードを差し込んで暗証番号で処理します。
カード読み取り機からコピーを受け取ったものが「クレジットカードの利用控え」 そして、写真のレシートのようなものが領収書です。
イギリスで利用しやすいのは、ヴィザカードとマスターカードです。 アメックスとダイナースは高級店では使えますが、庶民的なお店では取り扱いがない場合があります。 JCBカードも取り扱っていない場所があるので、イギリスにお越しの際はヴィザカードかマスターカードがあると便利です。
Yashin Ocean House へのアクセスは、地下鉄グロスターロード(サークル線、ディストリクト線、ピカデリー線)から徒歩5分程度。