中華点心の頂点を究めた、最高に贅沢な小籠包
2020/03/12
今回ご紹介するのは、台北でも美味しいレストランが密集している安和路にあります。
中華の名店から独立した葉シェフが2017年1月に開いた、上質ながら気取らない居心地の良いレストラン。豆板醤などの調味料から自分たちで手作りするほど、細部までこだわり尽くされた中華料理がいただけます。
「塩分をきつくすれば美味しいと錯覚されやすいけれど、うちはできるだけ塩分と油分はひかえめを心がけています。常連さんの健康がいちばん大切だからね。中華料理は美味しくするために調味料をたくさん入れることもよくあるけれど、私たちはそうやって実現する美味しさよりも、安心と健康を大切にしています」と、オーナー葉シェフ。
例えば甘みを加えるときも、砂糖ではなく「酒釀」という天然の発酵食品を使うなど、できるだけ身体への負担が少ない天然由来の調味料を採用しているそう。
究極の小籠包
そんなこだわりのレストランにオープンからしばらくメニューになかった「小籠包」が登場したのはここ最近のこと。
その理由は「小籠包は中華点心の最上級の技術が必要だから」という伝統的な中華料理である「川揚菜(四川と揚州が合わさった料理)」にルーツを持つ葉シェフのこだわりから。
写真は「上海小籠包(8個)180元」。
皮は薄ければ良いというわけではなく、理想の食感が出せる厚さ。そして天然酵母で作られた皮だからこその、わずかに黄みががった自然な色。包み方にも秘訣があるそうです。
台湾産の豚肉で、脂肪の多すぎない部位だけを使った餡。
そして旨味たっぷりのスープが織りなす黄金のバランスがひとつの小籠包で体現されています。
まずは皮を破ってスープを吸い、そこから小籠包を丸ごと口に入れて、三位一体の味わいを楽しむのが葉シェフおすすめの食べ方。
たっぷりのスープ、皮の厚さや食感、中の餡の塩分や歯応えまで、すべてが理想の小籠包そのもの。
小籠包は4個、6個、8個から選んで頼むことができます。少人数にも嬉しい優しさですよね。
蟹をふんだんに使用した「蟹粉小籠包」
そして私が「台湾でこんなの見たことない!」とびっくりしたのは、台湾で獲れた蟹を蒸してほぐすところから自分たちで行っているという「蟹粉小籠包(8個)340元」。
餡には丁寧にほぐされた蟹の身がたっぷり入れられて、旨味たっぷりの蟹みそも加えられています。
こちらは醤油など何もつけずにそのままお召し上がりください。
台湾ではほとんど見かけない「燈影牛肉」
そしてこちらでぜひオーダーしたいのが、「燈影牛肉(180元)」。
牛肉を乾燥させてから透けるほどパリパリに揚げて作られる四川料理の前菜です。
とても手間がかかることから台湾はもちろん四川でもなかなか見かけないそうです。
テーブルに並ぶ姿がとても美しいですよね。
ピリ辛に味付けされたパリパリ食感の牛肉が、ビールにぴったりです。
手間ひまかけられた中華料理
トロトロに煮込まれたスペアリブ「無錫醬排骨(480元)」は、子どもにも人気のメニュー。
野菜とキノコがたっぷり入ったヘルシーな蒸しごはん「上海野菇菜飯(280元)」
手間ひまかけて作られた葉シェフ自慢の中華料理が良心的な価格でいただけるとっておきのレストラン。ぜひ次回台湾を訪れた際にはご賞味くださいね。